この章では健康的に痩せるための具体的な食事メニューと、ゆるパレオダイエットのルールをお話しします。
まずは体に良いOK食品から食べ始めて、先に良い食品でできるだけお腹いっぱいにするのが重要です。そのためには、主食(穀物)+おかずという今までの常識を捨ててください。
長い人類の歴史から見ると穀物を主食にし始めたのは割と近年のことですし、一般的な穀物(米、小麦等)は糖質が多く、栄養素(タンパク質、ビタミンなどの微量栄養素、食物繊維)が少ないため、パレオダイエットでは推奨されていません。
もし穀物が食べたければ、最低限必要なOK食品を食べた後にデザート感覚で食べるようにしてください。野菜や芋類は制限していないので、必要な糖質量は摂取できるのでご心配なく。
初級編では大好きな食品も禁止されていないので、これも最後にデザートとして食べるようにしてくださいね。
大好き食品と食べる順番について
最初にあなたの大好き食品を2つ決めましょう。甘い物でもパスタでも菓子パンでもなんでも構いません。ただ、前章で設定したNG食品(清涼飲料水、マーガリン、低脂肪、低糖質を売りにした加工食品)以外から選んでください。
次にOK食品の中から好きな物、食べられる物を選びましょう。魚は調理も大変なので肉の方が良いとか、ブロッコリーは好きじゃないけどほうれん草は好き、などなど完全にあなたの好みで大丈夫です。
あとはOK食品を最初に好きなだけ食べて、食後に大好き食品をデザート感覚で食べるようにしましょう。この時今までのダイエットのようにカロリーや食事量を気にする必要はありません。気をつけたいのは大好き食品を食べたいからといって、OK食品の量を意図的に減らさないようにしましょう。
最初に厳しい設定でダイエットを始めても、一番肝心の継続が難しくなります。初級編だけで目に見えて体重が激減することはありえませんが、今までと違って食事の栄養面が改善してくるので健康状態の改善はできますし、これからのダイエットの下地づくりだと思ってください。
一番大切なのは、食事=栄養補給という意識を持って、漫然とお腹が空いたから食べるのではなく、考えながら食事をする習慣を身につけることですね。
実際の食事メニューの改善方法
ここでは初級編のルールに基づいて、食事メニューをゆるパレオに置き換えた例をご紹介します。
大好き食品は甘いものと麺類を想定してみました。
今までの朝食例
カレーパン
メロンパン
パックのコーヒー牛乳
時間もかからず、とりあえずお腹にたまればいいというレベルのメニューです。ほぼ糖質とカレーパンの揚げ油だけなので、体に必要な栄養素が不足しています。
炭水化物主体の食事は、栄養素の摂取も少なく腹持ちが悪いので、すぐにお腹が空くかもしれません。
改善例
ハムエッグ
サラダ
メロンパン
牛乳
調理時間は多少かかりますが、タンパク質と食物繊維などの栄養素が補給できるようになりました。できればサラダの量を増やして、メロンパンは最後に食べましょう。
今までの昼食例
スパゲッティカルボナーラ
加糖ミルクティー飲料
簡単にコンビニ等で用意できる食事を想定しました。パスタも飲み物も糖質が多く、タンパク質やその他の栄養素があまり摂れませんね。糖質を大量に摂取すると、血糖値の関係で眠気が起こりやすくなります。これでは午後からの眠気に打ち勝つのも大変でしょう。
改善例
サラダチキン
シーザーサラダ
ミニスパゲッティー
無糖紅茶飲料
金銭的な面では多少負担が増えますが、外食や惣菜を買う時には丼ものやパスタなどの一品物ではなく、定食を選んだり副菜を付けましょう。
今までのおやつ例
ドーナッツ
炭酸飲料
加糖の清涼飲料水は避けて欲しいものの一つですし、ドーナッツの小麦粉+砂糖+油の組み合わせも良くありません。
改善例
プリン
好きなフルーツ
ブラックコーヒー、緑茶など無糖の飲み物
疲れてくるとどうしても甘いものが欲しくなりなすよね。そういう時にはできるだけ自然のもので摂るようにしています。甘いデザートがどうしても食べたければ、プリン、ゼリー、和菓子、フルーツなどがおすすめです。
ナッツ、甘栗、ドライフルーツ、ダークチョコレートも良いですね。
今までの夕食例
チャーハン
餃子
ビール
胡麻団子
手軽な外食メニューで考えてみました。チャーハンは言わずもがな、餃子も糖質が多いので要注意です。もっとタンパク質と野菜の多いメニューに変えましょう。
改善例
棒棒鶏
ブロッコリーとエビの炒め物
ご飯
ハイボール
杏仁豆腐
糖質を減らして、タンパク質と野菜を増やしました。デザートは大好き食品が食べたければ置き換えて構いません。おかずを主に食べて、ご飯の量は少なめにしましょう。
だんだんとコツが掴めてきましたか?最初は難しいことは考えず、タンパク質と野菜を摂ることを意識してください。
手軽にタンパク質量を増やすには、高品質の市販品を使うのもありですね。
チートデイについて
チートデイとは、ダイエット中に設定する「好きな物を自由に食べられる日」のことです。英語の(cheat=ズルをする)からきています。
ダイエット中のストレス発散やモチベーションの維持を目的に、計画的に行います。ゆるパレオが比較的ストレスの少ない方法だとはいえ、慣れないうちは特に重要だと思います。
諸説ありますが、私の場合は大体週に一度ですね。飲み会や外食の予定があればその日に設定するようにしています。もともと食べ歩きが趣味なので、そういう時にはダイエットを忘れて〆ラーメンまでいっちゃうことも‥。
要はメリハリをつけることが大切だということです。普段から体に良いものを食べていれば、たまに少々ハメを外したからといって肥満体になることはありません。
本来食事は楽しみの一つだと思いますので、食べることに罪悪感を持つのはもったいないですよね。この先長くお付き合いする食習慣のために自分のペースで取り入れてみましょう。
まとめ
ゆるパレオの食事について、ざっくりとまとめてみました。最初は慣れない食事法にとまどうかもしれませんが、要は体に良い食品をお腹いっぱい食べよう、ということです。
市販品の濃い味付けに慣れていると自然な食品の味は物足りなく感じられると思いますが、続けていくうちに味覚がリセットされて素材そのものの味が美味しく感じられる時がきます。そうなればダイエットのための土台が完成したようなものです。
脳機能も本来の状態に近づいて、ダイエットの必要のない体質になれるのもそう遠くはないでしょう。私自身、前ほど加工食品に魅力を感じませんし、味が人工的に感じられて好んで食べなくなった物も多いです。
苦しい我慢をするのではなく、新鮮な野菜やフルーツなどの自然の恵みを心から美味しく楽しめるのも、このダイエットをやっていて良かったことの一つですね。
体重を減らすことに一喜一憂せずに、急がば回れの精神でゆるっと続けていこう。結果は必ずついてきます。